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Posted by ミリタリーブログ at

2020年09月16日

米陸一般 歩兵大隊編制(IBCT 本部中隊編)

IBCTの編成については以前書きましたが、今回はIBCTに組み込まれる歩兵大隊の編成や階級などについて書いていきます。
階級についてはあくまでも「通常はこの階級」という形であり、教本と実際には違っていることもありますので注意願います。
なおABCTやSBCTの歩兵大隊は装備の関係上違った編成となるので、この記事では触れません。
重要なことですが、教本上のフル編制なので実際の運用時、派遣先等では人数に違いがあるなどします。

毎度のことながら誤訳などについては指摘してもらえれば……

Infantry Battalion 「歩兵大隊」
Infantry Battalion(INF BN、歩兵大隊)はBCTのタイプによって装備や編成が異なりますが、今回はIBCTの機動歩兵大隊についてです。
歩兵大隊は山、ジャングル、都市部など様々な地形や夜間、雨、霧、雪などの気象条件下でも柔軟に活動できる戦力である。IBCTの歩兵大隊は基本的に徒歩移動するが、FSCやBSBからトラック等の支援を受けることで完全な自動車化戦力としても行動できる。ただしこれはIBCTの歩兵大隊のうち1個大隊にしか提供することができない。
1個歩兵大隊はHHC(本部中隊)、Rifle Company(ライフル中隊)3個とハンヴィー等装輪車両を装備するWepon Company(武器中隊)1個、そして実際の運用時に追加されるFSC(前線支援中隊)の計6個中隊で活動する。



大隊概略図。記号はADP 1-02準拠。

Headquarters and Headquarters Company(HHC、大隊司令部及び本部中隊)
大隊を指揮する司令部と各種サポートを行う人員が配置された部門であり、迫撃砲小隊や偵察小隊など歩兵中隊を支援するための部隊も含まれている。Battalion Command Section(CMD、大隊司令部セクション)Company Headquarters Platoon(CO HQ、中隊本部小隊)Battalion Staff Section(STAFF、大隊スタッフセクション)Medical Platoon(衛生小隊)Motor Platoon(迫撃砲小隊)Scout Platoon(偵察小隊)Sniper Squad(狙撃分隊)Signal Section(通信セクション)からなる。


--Battalion Command Section (CMD)
大隊司令部。Battalion Commander(大隊長)、Battalion Executive Officer (XO、大隊副指揮官)、Battalion Command Sergeant Major(CSM、大隊最先任上級曹長)と移動時の運転手などの人員で構成されている。
--Company Headquarters Platoon (CO HQ)
中隊本部小隊。中隊自体の司令部で、各小隊の指揮、管理などを行う。
--Battalion Staff Section (STAFF)
人員管理、通信、情報、物流…等々、大隊の活動を支える部署。空軍のAir Liaison Officer(ALO)・Tactical Air Control Party(TACP)や火砲支援の調整を行うFires Cell、牧師などもここに含まれる。
--Signal Section
部隊間通信を担うセクション。
--Medical Platoon
衛生小隊。後述。
--Motor Platoon
迫撃砲小隊。後述。
--Scout Platoon
偵察小隊。後述。
--Sniper Squad
狙撃分隊。後述。教本上は一応HHC直轄であるが、部隊広報サイトや隊員の作成した映像などだとScout Pltの中に組み込まれているという書き方もよく見られる。

指揮官等の階級は通常以下の通り。
Battalion Commander --- Lieutenant Colonel (LTC、中佐)
Battalion Executive Officer --- Major (MAJ、少佐)
Battalion Command Sergeant Major (CSM、最先任上級曹長)
Personnel Staff Officer (Human Resources Section, S-1) --- Captain (CPT、大尉)
Intelligence Staff Officer (Intelligence Section, S-2) --- Captain (CPT、大尉)
Operations Staff Officer (Operations Section, S-3) --- Major(MAJ、少佐)
Logistics Staff Officer (Logistics Section, S-4) --- Captain(CPT、大尉)
Signal Staff Officer (Communications Section, S-6) --- Captain(CPT、大尉)

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Battalion Medical Platoon(衛生小隊)
大隊に対してArmy Health SystemのRole1の医療行為やForce Health Protection(FHP、部隊健康保護)を行う部隊で、負傷者・戦死者の地上搬送も行う。衛生兵はこの衛生小隊から各ライフル小隊へアタッチされる。
Platoon HQ elementMedical Treatment SquadAmbulance SquadCombat Medical Sectionからなる。



--Platoon HQ element
小隊本部班。大隊のFHP plan (Force Health Protection、部隊健康保護計画)の立案や小隊の補給の調整などを担う。
Field surgeon/medical platoon leader(軍医/小隊長)、Field medical assistant(医療助手、医療事務補助)、Platoon sergeant(小隊軍曹)の3名が属しているが、通常Platoon HQはTreatment Squadと共に配置される。大隊が作戦地に派遣されていない間、軍医は通常地元の医療機関に所属しており、その間医療助手が小隊長として活動する。
通常、大隊軍医はCaptain(CPT、大尉、AOC/MOS 62B00所持)、医療助手はFirst Lieutenant(1LT、中尉、AOC/MOS 70B67所持)、小隊軍曹はSergeant First Class(SFC、一等軍曹、AOC/MOS 68W4O所持)である。

--Medical Treatment Squad
医療処置分隊。通常Battalion Aid Station(BAS、大隊救護所)と呼ばれており、BASの運営と大隊に対してAHS Role1の医療行為を提供する。
分隊はtreatment team alphaとteam bravoの2チームからなり、team Aに衛生小隊長でもある大隊軍医、team BにPhysician Assistant(医師助手、AOC/MOS 65D00所持)が配置され、それぞれのチームはhealth care sergeant(AOC/MOS 68W3O.68W2Oを取得した軍曹)とhealth care specialists(MOS 68W1Oを取得した特技兵)によってサポートされる。

--Ambulance Squad
救急分隊。負傷者を負傷地点から、戦死者を回収場所からBASやForward Aid Station(FAS、前線救護所)、他の搬送手段への中継地点までの地上でのMEDEVAC(医療搬送)を行う分隊で、24名の兵士と8台の救急車(M997A2 ハンヴィー救急型)が配置されている。
分隊は4個チームからなり、1チームにつき2台の救急車が配備され、1台の救急車につき1名のemergency care sergeant(救急医療軍曹)、2名のambulance aide/drivers(救急助手/運転手)が割り当てられている。という説明書きのはずなんですが教本の図じゃそうじゃないのでよくわからない…各チーム1台は予備車扱いでしょうか?人数的には全車投入しても各車3名乗れる人数ではありますが…。

--Combat Medical Section
戦闘衛生セクション。各ライフル中隊に随伴し、最前線で治療にあたる戦闘衛生兵が在籍している。
衛生兵は通常、サポートする各ライフル中隊に1名のemergency care sergeant(救急医療軍曹)と各小隊ごとに1名のcombat medic(戦闘衛生兵)が割り当てられる。救急医療軍曹は通常、中隊指揮官またはSFC(一等軍曹)と一緒かその近くに配置され、指揮下の小隊衛生兵に指示を出す。小隊衛生兵は小隊長または小隊軍曹と一緒かその近くに配置される。


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Battalion Motor Platoon(大隊迫撃砲小隊)
迫撃砲小隊の役割は、機動中隊と大隊を支援するために即応性のある間接射撃を提供することである。
小隊はPlatoon HeadquartersFire Direction Center Section (FDC)Mortar Squadで構成されている。120mm重迫撃砲×4門と81mm中迫撃砲×4門を装備しているが、常に1つのシステム(迫撃砲の種類)を運用する人員しか配置されていないため、8門運用は不可能である。それぞれの迫撃砲はHE弾、発煙弾、照明弾を発射することができる。降車作戦時には81mm中迫撃砲を運用する。迫撃砲小隊は迫撃砲を運搬するためのトラック(ハンヴィー)とトレーラーが配備されている。



--Mortar Platoon Headquarters
小隊本部班。小隊長(LT、少尉)、小隊軍曹(SFC、一等軍曹)と2名の無線手/運転手(PFC、上等兵)、FBCB2(戦闘指揮システム)を搭載した2台のハンヴィーからなる。

--Fire Direction Center Section (FDC)
砲撃指揮所セクション。小隊の射撃の指揮管理を行う部隊。4名の兵士とFBCB2、M96 MFCS(迫撃砲射撃コントロールシステム)、2台のM32 LHMBC(弾道計算コンピューター)を搭載したハンヴィー1台で構成されている。

--Mortar Squad
迫撃砲分隊。迫撃砲を運用する分隊で、状況によって120mm重迫撃砲と81mm中迫撃砲を使い分ける。4個分隊からなり、1個分隊は4名の兵士とFBCB2、M32 LHMBCを搭載したハンヴィー1台で構成されている。


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Battalion Scout Platoon(大隊偵察小隊)
大隊指揮官の”目と耳”として機能する大隊の主要な偵察手段たる部隊。偵察小隊は歩兵大隊の中でも、最も戦術的かつ技術的に熟練した兵士で構成される特殊な小隊である。通常の歩兵ライフル小隊の主な任務が敵の捕縛・殺害であるのと異なり、偵察小隊の主な任務は大隊指揮官に敵に関する情報を提供することである。
Reconnaissance(偵察)とは目視や他の検出方法により、敵の活動やリソースに関する情報、または特定地域の気象、水路、地理的特性に関するデータを取得・確保するために行われる任務である。Surveillance(監視)とは航空宇宙、地上または地下の領域、場所、人、物を、視覚的・聴覚的・電子的・写真映像、またはその他の手段で体系的に観測することである。これらR&Sタスクを通じて大隊指揮官の部隊運用に貢献するほか、防衛時には敵の作戦に対し早期警戒を行うことで、主要部隊に対して敵に対応するための時間と機動を提供する。大隊指揮官は任務と必要に応じて、偵察小隊を大隊の前・側面・後に配置することができる。
偵察小隊は小隊本部、各6名の分隊3個で構成され、将校1名と兵士21名の計22名からなる。小隊長は小隊軍曹に支援され、小隊長不在時には小隊軍曹が代理で指揮を執る。



--Platoon HQ element
小隊本部班。小隊を指揮し任務を管理する役割を持つ。小隊長と小隊軍曹、無線手、偵察兵の4名と2台のハンヴィーからなる。

--Scout Squad
偵察分隊。3個分隊からなり、1個分隊は3人班2班で構成され分隊長、分隊長補佐、4名の偵察兵と2台のハンヴィーからなる。


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Battalion Sniper Section/Squad(大隊狙撃セクション/分隊)資料によって表記が分隊だったりセクションだったり…
大隊狙撃セクションは偵察小隊同様、歩兵大隊の中でも最も戦術的かつ技術的に熟練した兵士で構成されている。分隊の戦闘中の主な任務は選択されたターゲットに対し正確な長距離狙撃を行うことで戦闘作戦をサポートすることである。狙撃は敵に損害を出し、動きを遅滞させ、士気を下げることができる。第2の任務は戦闘情報の収集と報告である。狙撃部隊の観測とナビゲーションのスキルと保有する特殊機材は地形を詳細に見て変化を観測するのに役立つ。狙撃兵は地形、障害物、接近可能性が高い道、その他戦場に関する情報を指揮官へ提供する。
狙撃兵は攻撃・防御・安定化等様々な作戦に投入され、これにはパトロールや待ち伏せ、カウンタースナイパー作戦や都市部での軍事行動などが含まれる。また、敵の活動エリアへ潜入し予期せぬ方向から攻撃を仕掛けたり、敵の位置や動きを監視したり、保護対象部隊への脅威の排除などに従事する。
狙撃セクション/分隊は分隊長、3人編成の狙撃チーム3個、3個の長距離狙撃ライフルシステムと3個の標準狙撃ライフルシステムで構成されている。狙撃セクションの人員は全員スナイパースクールで資格を得ている必要がある。狙撃チームは必要に応じて大隊内の任意の部隊に組み込んで編制できるほか、直接大隊の指揮下に置くこともできる。実際の運用時には大隊外の部隊にアタッチされていることもある。



--Squad Leader
狙撃分隊長。部隊長、狙撃手であり大隊指揮官に対して狙撃部隊の運用について提言をする主要顧問でもある。

--Sniper Team
狙撃チーム。通常3チーム配置され、1チームはSenior Sniper(上級狙撃者、Team Leader)と2名のSniperの3名で構成される。ただしMETT-TC条件に合わせて、2人チームの5個チームなど臨時編成することもできる。3名はそれぞれSniper(狙撃手)、Observer(観測手)、Security(警備)の役割が充てられており、通常上級狙撃者が観測手を務める。残り2名は狙撃手と代替狙撃手となり代替狙撃手が通常警備にあたるが、狙撃任務が割り当てられることもある。

チームリーダーまたは観測手は通常M203(M320)を装着したM4とMETT-TCに合わせて観測用スコープと風速計などを携行する。狙撃手は狙撃ライフルと必要であればM4を携行する。代替狙撃手はM249、または別の狙撃ライフルを携行する。この他に携行するものとしてギリースーツや指向性アンテナ、赤外線画像装置などがある。
狙撃セクションに割り当てられている狙撃武器には、M110 (7.62-mm) Semiautomatic Sniper System、M107 (.50 caliber) Long-range sniper rifle、M24 Sniper Weapon System、M2010 Enhanced Sniper Rifleなどがある。通常Sniper Employment Officer(SEO、狙撃手運用担当官)か分隊長/セクションリーダーによって運用する武器が決定される。



長くなったので今回は歩兵大隊のうちHHCの部分についてのみ書きました。
ライフル中隊は別記事で書きます。


参考文献
・ATP 3-21.20 INFANTRY BATTALION (2017)
・ATP 4-02.3 Army Health System Support to Maneuver Forces (2014)
・ATP 3-20.98 SCOUT PLATOON (2019)
・ATTP 3-21.90(FM7-20)/MCWP 3-15.2 Tactical Employment of Mortars (2011)
・FM 3-21.20 THE INFANTRY BATTALION (2006)
・FM 4-02.4 MEDICAL PLATOON LEADERS' HANDBOOK (2003)  
Posted by ルキポン at 00:29Comments(0)米陸